
誰でも安全で簡単な非常食をあたためられるグッズとは?
災害用にあたためるものを用意したいけど、慣れない道具は使いたくない…。
そんな人のために、場所を選ばず誰でも簡単で安全に非常食を温められるグッズをご紹介します。
水だけで簡単!発熱剤を用いた加熱袋

火を使わなくても簡単に温めが可能な商品と言えば、発熱剤を使った『加熱袋』です。
大きさや種類によってどれくらいのものが温められるかは異なりますが、レトルトのご飯や缶詰など1人分の非常食をあたためることができます。
発熱剤の種類やメーカー
発熱剤はモーリアン株式会社協同の開発した『モーリアンヒートパック』が有名ですが、他にもさまざまなメーカーから発売されています。
種類の違い
発熱剤には2種類あり、生石灰を使ったものとアルミニウムを使ったものです。
使い方や仕組みはどちらもほぼ同じで、袋に発熱剤を入れて水を入れるだけですが、アルミニウムを使ったものは加熱の際の温度が高いです。
製品によっては冷凍食品の温めも可能なハイパワーのものも販売されており、用途によって使い分けも可能です。
サイズの違い
各社同じようにS・M・Lというサイズ展開が多いですが、あたためられる量と最高温度がメーカーによって若干異なります。
1食分の非常食をあたためることが目的なら、とりあえずLサイズを購入しておけば大丈夫です。
1回で1食分(レトルト×1、パックご飯、お茶1缶)のあたためが可能です。
それ以外なら下記いずれかの量をあたためることができます。
Lサイズの発熱剤を使い1回であたためられる量水なら、400mlを1〜2缶まで缶詰なら3缶までレトルト食品なら2パックまで
あまりたくさん入れすぎると、しっかりあたためることができなくなるので注意!
加熱剤であたためる仕組み
加熱袋は化学反応で蒸気が起こる仕組み利用して作られています。
ホッカイロなども酸化による化学反応で熱を発生させますが、加熱袋は水と薬剤を反応させて発熱させます。
アルミニウムを使った加熱の仕組み
モーリアンヒートパックの場合、酸化カルシウムとアルミ粉末が主成分となっており以下のような仕組みで発熱をしています。
水と酸化カルシウムを反応させ水酸化カルシウムを生成
↓
水酸化カルシウムとアルミニウムが反応し、アルミン酸カルシウムが生成されることで起こる熱エネルギーを利用
製品によって最高温度や持続時間が変わりますが、およそ最高温度は約98度近くにまで達します。
発熱剤の使い方
製品や用途によって使い方がやや異なりますが、基本的には付属の専用パックの底に外装から出した発熱剤を入れ、その上に温めるたい食品をいれます。
食品は発熱剤が底に触れるように入れ、必要量の水を注ぎ、しっかり封をします。
しばらくすると袋内の水が沸騰し、蒸気が出てくるので、蒸気が出なくなるまで待ちます。 水の沸騰が終わり、完全に蒸気が出なくなったらあたためは完了です。
熱いので、軍手などの手袋やタオルなどを使って、あたためたものを取り出しましょう。
!使う際の注意
発熱剤と水を入れた後は、蒸気が吹き出し非常に熱くなりますので、袋には触らないようにし、やけどに注意してください。
また発熱剤を入れる際に、手が濡れていると薬剤が反応し、発熱する恐れがあります。
作業する際は、乾いた手で触るようにしてください。
使い終わったあとの処理や廃棄方法
使い終わったあとは、完全に発熱剤が冷えてから加熱袋から取り出し、地域の分別方法に沿って廃棄してください。
カイロと同じ分別方法になります。
使い終わった発熱剤の中身で、酸性土壌をアルカリ性に土壌改善することもできます。
発熱剤とセットになった非常食
非常食には発熱剤とセットになったものも販売されています。
わざわざ加熱袋を用意しなくても良いので、非常に便利です。
製品によっては、水を用意しなくても水の代わりの発熱溶剤がセットになったものもあります。
セットになったものを購入しておけば、サイズやメーカーを気にする必要がなく、保管もしやすいです。
紐を引くだけ!懐かしの駅弁タイプ非常食
最近では温めるタイプの駅弁は電車マナーなどの観点から減ってしまい、若い人などは見たことがないかもしれません。
お弁当には紐がついていて、その紐を引くと蒸気が発生し、冷たいお弁当が温かくなります。
このようなあたたかい駅弁が昔は流行しました。
このタイプの発熱剤の出し入れ等も行わなくて済むため、子供やお年寄りでも安全に使用できますが、発熱剤入りのケースが付属しているためかさばることが難点です。
加熱式お弁当タイプの仕組み
発熱剤の入ったケースと非常食のパッケージが合体した形で、ケースの中には、小さな発熱剤のパックが入っています。
中には石灰と水のパックが一緒に入っており、紐を引っ張ることで水のパックが破れ、石灰と反応し発熱する仕組みです。
やはり発熱時には非常に熱くなるので、中を触らないように注意が必要です。
あたためにかかる時間
製品にもよりますが、約8分前後で温めが完了し、すぐに食べることができます。