
非常食としてストックできるのはこんな製品!食品の製法と種類
備蓄するには非常食に適した製法を使った製品でないと、長期間の備蓄には不向きとなります。
非常食として販売されている製品にはどのような種類のものがあるのでしょうか。
缶詰

おなじみの缶詰ですが、非常食としても定番です。
缶詰は空気を抜き密閉した状態で加熱殺菌を行う製法で作られています。
真空調理された缶詰は、開けるまでは空気にさらされることがないため劣化が遅く、非常に長く品質を保つことができます。
- 缶自体小さいものが多く、重ねて積むことが出来るのでストックしやすい
- 缶を直接火にかけて調理することが可能
- 比較的安いものが多く、スーパーなどでも手に入りやすい
- 魚缶だけではなく惣菜缶も最近は増えて色々選べる
- 保存料や添加物が少ない製品が多い
- 缶が重いので、 たくさんは持ち運ぶことはできない
- 空き缶の処理が大変
- フタやふちでケガをする恐れがある
- 量が少ない
缶自体がしっかりしているので、保存性は非常に高いです。腐食以外で穴が開くことはありませんので、たくさん積み重ねて備蓄しておくことが出来ます。
しかし一方で、その重さによって沢山は持ち運ぶことができません。また空き缶の廃棄など手間がかかります。
缶切り不要のプルトップ缶
昔は缶切りが必要なものが多かったですが、現在は缶切り不要なプルトップ缶などが増え、非常時に缶切りがなくてもすぐに食べることができます。
レトルトパウチ食品

レトルト食品は120℃の高圧釜によって4分間以上の高温高圧殺菌を行い作られています。
パウチは空気が抜かれ真空状態で調理がされているので、缶詰同様に劣化が遅く、比較的長い賞味期限が設定されています。 缶詰に比べ、調理されたおかずやスープ、ミートソースなど調理食品のパッケージに用いられています。
真空調理のため栄養価の低下なども問題なく、栄養バランスが考えられた製品も多いです。
- 惣菜関係の製品も多く、ごはんからおやつに至るまで揃う
- パッケージがフィルム包装のため軽く、廃棄の際の手間が少ない
- 倒したり重ねたりといったコンパクトに備蓄できる
- 保存料や添加物が少ない製品が多い
特になし
最近のレトルトは非常に質が良く、素材そのものの栄養分も損なうことはありません。パッケージがフィルムのため軽く、扱いやすいです。
欠点は特になく、強いて言えばパッケージが自立しないものが多いので、そのまま食べる時は工夫が必要となります。
瓶詰

スーパーで良くみる瓶詰と言えばジャムではないでしょうか。 ジャムなどの瓶詰も缶詰同様に真空加熱処理をされた製品となっており、未開封の状態では非常に長く品質を保つことができます。
ジャムの他にはトマトソースや糊の佃煮などのパッケージに使われていことが多く、開封後残ったものをそのままフタをして保存できることが魅力です。 缶詰やレトルトの場合は使った後は容器は廃棄することが多いですが、瓶詰の場合はそのまま洗って使うなど再利用することが可能です。
- 瓶が小さく割と頑丈
- 空き瓶が再利用できる
- 保存料や添加物が少ない製品が多い
- 瓶が重いので、たくさんは持ち運ぶことはできない
- 瓶詰めの種類が限られており、選びしろが少ない
- 生ものの瓶詰があるが賞味期限は生鮮食品と同じで早い
- 透明瓶の場合、内容物によっては、表面が変色することがある
瓶詰めは空き瓶の再利用がしやすく、見た目のかわいいものも多いですが、やはり瓶は重く、また透明瓶の場合は光を通すため、内容物の変色が起こるものもあります。
アルファ化米

非常食のごはんとして定番になっている干したように干からびた状態のアルファ化米。
これは炊いたご飯を乾燥させたもので、よくごはんが干からびてカチカチになってしまうことがありますが、その状態と同じと言えます。
カチカチごはんは、通常であれば干からびた段階で劣化して味が落ちてしまうのですが、アルファ化米は劣化しないように乾燥処理を行い、水、またはお湯にて元のごはんへ復元することができます。
日本では昔からアルファ化米によるご飯の保存方法があり、『糒(ほしいい)』という炊いたご飯を天日乾燥させ保存食として使っていました。
- 乾燥しているので軽い
- お湯や水がないと食べることが出来ない
- 容器が付属していない場合、別途湯で戻す為の容器が必要
乾燥したお米になるので非常に軽く、持ち運びやすいです。パッケージに直接お湯を注いで食べることになるので、食器不要な製品が多いです。
ただやはりお湯や水がないと食べることができませんので、水が不足しているところでは食しにくいです。
フリーズドライ製品

フリーズドライは、凍結させたあとに真空状態で水分を乾燥させる製法(真空凍結乾燥法)にて作られており、水やお湯を注ぐと元の状態へ復元します。
素材そのものだけではなく味噌汁や雑炊、惣菜に至るまで今はフリーズドライでの保存が可能となっています。
フリーズドライの特徴として、復元性の高さや栄養価の損失が少ないことなどメリットが多く、また軽くて保存期間が長いなど備蓄には最適です。
- 乾燥しているので軽い
- キューブ型に固めてある場合が多くコンパクト
- 味噌汁やスープなど種類がたくさんある
- 野菜など素材そのものであれば、水で戻せば離乳食にも使える
- 復元性が高く素材そのものを味わうことができる
- 形が崩れやすい
- お湯や水がないと食べることが出来ない
- 容器が付属していない場合、別途湯で戻す為の容器が必要
軽くてコンパクトがメリットで、水でも戻せるのが便利です。フリーズドライの場合、栄養素なども損なわれていないので、野菜など生鮮食料が手に入らない災害時には、ありがたい製品です。
ただ、水が必要であったり、容器が別途必要であったりなど、そのままでは食しづらいのが欠点です。
まとめ
備蓄スペースや重さなどを考えるとフリーズドライやアルファ化米はストックに非常に便利です。 しかし水やお湯が必要となりますので、水の残りが少ない場合は大変かもしれません。
※製品によっては水でもどさなくても食べられるものもあります。
そのまますぐに食べられる食品としては、缶詰やレトルト食品があります。 特にレトルトは種類も豊富でいろいろなものを選ぶことができます。 非常食専用商品であれば温めなくてもおいしく食べることができますし、お皿にあけなくても容器のまま食べることが出来るので便利です。
食べたいものや保管しやすいものを選ぶ
非常食は食べたいものや保管しやすものをまず選ぶことをおすすめします。 普段なら食べないようなおかゆや魚の缶詰ではなく、非常時でもおいしいと感じられる食材を選んでおいた方が、いざ実食となった時に苦も無く食べることができるからです。
災害時に美味しいと感じられるものを選ぶことで、ストレスを減らし生きる活力を付けることになります。 『美味しそうで保存のきくもの』が非常食を選ぶポイントです。