
知ってますか?非常食の塩分量
最近腎臓の数値など、塩分を気にしなくてはいけなくなってから気がついたのですが、市販の非常食は塩分の高いものがわりと多いです。
パンはさほど問題ありませんが、とくに味付けのご飯や豚汁などのおかず類は、味をしっかりつけるため塩分が高い傾向にあります。
災害時は食事面の調整ができない
災害時には食事を満足に摂れないことも問題ですが、食事制限のある人にとって支援物資の食事も心配です。
例えば炊き出しの豚汁やカレー、外部からの緊急支援食糧のおにぎりやパンなども塩分が高い可能性があります。1食分なら問題ないかもしれませんが、毎食、それがずっと続くと問題です。
普段から食事に制限がある人の場合、塩分量の調整ができずに体調を崩すと、非常に辛い思いをします。病院が機能していれば良いですが、震災などの災害時にはすぐに診察してもらえるとは限りません。胃腸が弱り頻繁にトイレにいくのも大変です。そのためできるだけ体調を崩さないようにする必要があります。
食事制限のある人は、自分のための非常食を用意しておきましょう。
慢性腎臓病(CKD)の人の1食分の目安
慢性腎臓病(CKD)患者、また慢性腎臓病(CKD)予備軍の人の場合、1日に摂る塩分量は1日6.0g以下と言われています。
目安としては3食しっかり摂ると考えて、1食あたり2.0gです。
それを参考にして見ていこうと思います。
意外と高い!味付けご飯タイプの非常食の塩分
最近は炊き込み風など味付けされたご飯の非常食が多いですが、やはり気になるのは塩分!
白飯なら全く問題ないのですが、味付けご飯の塩分量のチェックは見落としがちです。食塩相当量が目安の2.0gに収まっていても、おかずを足して超えることがないようにしないといけません。
食塩相当量2.0以下の味付けご飯の非常食
実際、どれくらい入っているのか定番商品を例にあげて見てみようと思います。
非常食の定番といえばアルファ米ということで、アルファ米の非常食で有名な尾西食品の製品を例にしたいと思います。
尾西食品の製品に含有する食塩相当量を調査

まずはアルファ米から。定番人気といえばわかめごはんと五目ごはんです。
- 尾西のわかめごはん:食塩相当量1.7g
- 尾西の五目ごはん:食塩相当量1.8g
結構入っていますね。でも1食がこれだけであれば問題ない量です。これよりも塩分量の少ないご飯といえば、松茸ごはんや赤飯などがありました。
- 尾西の松茸ごはん:食塩相当量1.2g
- 尾西の山菜おこわ:食塩相当量1.5g
- 尾西の赤飯:食塩相当量1.4g
他の味には食塩相当量2.0gを超えるものもあります。上記のご飯が大丈夫だからと他の味のものも安心して食べていると、1日の目安を大幅に超える可能性があるので注意してください。
- 尾西のきのこごはん:食塩相当量2.0g
- 尾西のたけのこごはん:食塩相当量2.7g
- 尾西のドライカレー:食塩相当量2.5g
- 尾西のチキンライス:食塩相当量2.8g
- 尾西のえびピラフ:食塩相当量2.8g
そして安心してください!なんとエスニックシリーズは両方とも食塩相当量2.0g以下です!エスニック好きとしてはとても嬉しいですね!
- オニシのナシゴレン:食塩相当量2.0g
- オニシのビリヤニ:食塩相当量1.5g
【注意!】おかゆにも塩分が
なんとおかゆにも塩分が入っています。でもこの尾西食品の白おかゆは、塩の小袋が別途付属になっているようです。全部使ってしまうと摂取しすぎになりますが、調整しながら食べられるのはいいですね。
- 白がゆ:食塩相当量1.4g
- 梅がゆ:食塩相当量1.1g
- 塩こんぶがゆ:食塩相当量1.6g
量が少ないものにはさらに注意

尾西食品の製品には携帯おにぎりのシリーズがあります。こちらは下記を見る限りでは塩分量は少なめに感じますが、内容量自体が少ないからでもあります。
- 鮭:食塩相当量0.6g
- わかめ:食塩相当量0.8g
- 五目おこわ:食塩相当量0.9g
- 昆布:食塩相当量0.7g
もの足りないからと2個3個食べていると、あっという間に超えてしまうので要注意です。
メーカーによっては塩分量がかなり多いものもある
今回尾西食品を参考にしましたが、他のメーカーも見ていきたいと思います。
サタケのマジックライスは塩分多め
調べてみるとサタケの製品は塩分量は多いことがわかりました。一部を抜粋してみるとこんな感じです。
- マジックライス青菜ご飯:食塩相当量3.4g
- マジックライスわかめご飯:食塩相当量2.0g
- マジックライス梅じゃこご飯:食塩相当量3.0g
- マジックライスチャーハン:食塩相当量3.4g
サタケのマジックライスシリーズで塩分量の一番少ないものがわかめご飯です。それ以外は全部規定量よりも多く、チャーハンが一番多めでした。同じような味の製品でもメーカーによってこれだけ塩分量が異なります。やはり食べる際にはきちんと確認してください。
白飯にも塩分が入っていることも
白飯であっても塩分が入っていることがあります。
製品によっては食塩相当量0.5gなど、おかずと併用できないこともありますので要注意です。
おすすめの味つきご飯の非常食
まずはオシャレな非常食で有名なイザメシの中からのオススメ。
缶詰タイプのご飯『具材いろいろ鶏五目ごはん』食塩相当量2.0g
こちらは味つきのスープを入れて作るタイプのアルファ米『出汁のきいた牛丼』食塩相当量1.6g
同じくこちらは味つきのスープを入れて作るタイプのアルファ米『素材を活かした鶏ごぼう丼』食塩相当量1.2g
こちらは調理不要そのまま食べられるスープリゾット『濃厚トマトのスープリゾット』食塩相当量1.4g
アルファ米といえばこちらのアルファー食品の安心米も人気です。
安心米シリーズの中から食塩相当量2.0g以下のものは下記の製品です。
安心米(わかめご飯)食塩相当量1.6g
安心米(きのこご飯)食塩相当量1.7g
安心米(山菜おこわ)食塩相当量1.5g
安心米(とうもろこしご飯)食塩相当量1.5g
7年備蓄可能なレトルトご飯といえばこのThe Next Dekadeです。調理不要でそのまま食べられる非常食を検討している方にはこちらがオススメ。
わかめご飯 食塩相当量1.5g
トマトリゾット 食塩相当量1.9g
カレーピラフ 食塩相当量1.8g
ホワイトシチューリゾット 食塩相当量1.5g
では次は、食塩相当量2.0g以下のおかずの非常食を見ていきましょう!
美味しいものには塩分がたくさん!レトルトのおかず
ご飯だけでもこの塩分量となると、心配なのはおかずです。
今非常食にはご飯類だけではなく、惣菜などのおかず系非常食もたくさん販売されています。
しかしやはり保存食というものは塩分量が高いものが多く、また多くの人が美味しいと感じるものには塩分がたくさん入っています。
アイリスフーズの長期保存食に含まれる塩分量

最近アイリスオーヤマの関連企業であるアイリスフーズから賞味期限5年の非常食シリーズが発売されました。こちらは『生野菜で作りました。ごろっとたっぷり野菜』というキャッチコピーで、その名のとおり野菜がたっぷり入った非常食です。
災害時は野菜不足に陥りやすいので、非常にありがたい製品なのですが、やはり塩分量が気になります。
- 肉じゃが:食塩相当量2.5g
- けんちん汁:食塩相当量2.7g
- 筑前煮:食塩相当量2.0g
- きのこ汁:食塩相当量2.8g
- 豚汁:食塩相当量2.4g
このように筑前煮以外は食塩相当量2.0gを超過しています。1日のうちで塩分量を調整できれば、そこまで心配する量ではありませんが、これに味付けご飯を足したりすればもうアウトです。おかずを食べるときは絶対白飯にしましょう!
おすすめのおかず系非常食
まずはイザメシから。
IZAMESHI Deli『名古屋コーチン入りつくねと野菜の和風煮』 食塩相当量1.8g
IZAMESHI Deli『梅と生姜のサバ味噌煮』 食塩相当量1.4g
こちらはかなり塩分量が少ないです。IZAMESHI Deli『ごろごろ野菜のビーフシチュー』 食塩相当量0.8g
IZAMESHI『ごろごろ肉じゃが』 食塩相当量1.5g
イザメシには現在缶のシリーズが発売されています。こちらもどれも塩分量は少なめ。元々缶のほうが容量が少ないからというのが理由ですが、おかずはこの一缶のみと決めるとラクですよね。
IZAMESHI CAN『野菜と鶏肉の旨味しみこむ筑前煮』食塩相当量0.7g
IZAMESHI CAN『花椒香る麻婆豆腐』食塩相当量0.9g
IZAMESHI CAN『甘辛仕立ての牛肉のやわらか煮』食塩相当量1.4g
そして変わり種のイザメシの中華シリーズもあります。下記の製品は食塩相当量2.0g以下です。また下記以外では、おつまみのような『そぼろめんま』や『蒸し鶏のエビ油漬け』も食塩相当量2.0g以下!
シャンウェイIZAMESHI 『オイスターソースと花椒の牛すじ煮込み』食塩相当量1.9g
シャンウェイIZAMESHI『にんにくと黒胡椒の砂肝』食塩相当量1.3g
シャンウェイIZAMESHI 『豚肉と水クワイの甘酢和え』食塩相当量1.1g
次はホリカフーズのレスキューフーズです。
カレーや牛丼は食塩相当量2.0gを超過していましたが、ビーフシチューや缶詰類は問題ありませんでした。
『ビーフシチュー』食塩相当量1.5g
『ぶり大根』食塩相当量0.8g
『ポテトツナサラダ』食塩相当量1.0g
『牛肉すきやき』食塩相当量1.2g
また5年保存可能なアルファフーズの美味しい防災食シリーズも、食塩相当量2.0g以下のものが多数あり、『いわしの煮付け』と『ポークカレー』以外は問題ありませんでした。
『きんぴらごぼう』食塩相当量1.3g
『ハンバーグ煮込みトマトソース』食塩相当量0.7g
ローリングストックにオススメな1年7カ月備蓄可能なレトルト食品『uchipac』
非常食ではないですが、無添加でシンプルなレトルト惣菜といえば、内野家のレトルト食品『uchipac』です。
こちらの製品は完全国内生産で、常温での備蓄が可能な製品でる。普段のごはんと非常食を兼用できるのでローリングストックしておけば、いざというときも安心です。
『揚げいわしのオリーブオイル煮』以外は食塩相当量2.0g以下なので、安心して食べることができます。
非常食では定番のカレーの塩分量

意外なことにカレーは塩分量が思ったほどではありません。しかし食塩相当量2.0g以内に収めようとするのは結構難しいです。
- CoCo壱番屋監修尾西のマイルドカレーライスセット:食塩相当量2.8g
- 江崎グリコ 常備用カレー職人 中辛:食塩相当量 2.2g
- 永谷園 A-Label あたためなくてもおいしいカレー:食塩相当量 2.7g
カレーを食べるときは、1日のうちで塩分量を調整さえすれば問題はありません。しかし炊き出しなどで毎食カレーになる場合は心配ですね。その場合は食べるカレーの量を減らすなど工夫が必要です。
おすすめのカレーの非常食
IZAMESHI Deli『ヨーグルトが隠し味のスパイシーチキンカレー』食塩相当1.8g
京都缶*環づめプロジェクトの『京タケノコカレー』は、チキンカレー以外であれば食塩相当2.0g以下です。
こちらは非常食ではありませんが、森下仁丹が漢方ブティック「薬日本堂」と共同開発したお茶碗1杯分のスティックカレー『仁丹の食養生カレー』であれば、食塩相当量0.4gです。
生薬ときくと不味そうに感じるかもしれませんが、コクがありスパイスの効いたちょっと大人のカレーです。
食べ過ぎも防ぐことができるし、お弁当などにも使えるのでローリングストックにオススメのカレーです。
気になるスープや味噌汁の非常食の塩分量
非常食の定番といえば他にスープや味噌汁があります。
先ほどのおかずの非常食でご紹介したアイリスフーズのけんちん汁やきのこ汁の場合、どれも食塩相当量2.0gを超過しており、レトルトのおかずと味噌汁の組み合わせは危険という認識です。
ポケットワン おみそ汁の塩分量
5年保存可能な味噌汁といえば、このお味噌メーカーの神州一味噌が発売しているポケットワンシリーズです。お湯を注ぐだけの粉末タイプの即席味噌汁です。
こちらはカップにスプーンまで付属しているので、災害時にはとても便利な非常食です。味噌汁のほかにわかめスープやコーンスープがあります。
- ポケットワン おみそ汁:食塩相当量1.8g
- ポケットワン わかめスープ:食塩相当量1.9g
- ポケットワン わかめスープ:食塩相当量1.5g
やはり結構塩分量は高いです。こちらも白飯と食べるのが良さそうですね。
他メーカーの即席味噌汁も塩分量は高め
粉末タイプやフリーズドライタイプのお湯を注ぐだけの即席味噌汁は、どれも食塩相当量が高いものが多い印象です。実際病気になって食事制限を行なっている人であればご存じだと思いますが、やはり非常食でもそれは同様です。
粉末タイプなら2回分の食事として利用するなど、薄めたり工夫すれば問題ありません。
カゴメ 野菜たっぷりスープの塩分量
非常食用ではないのですが、常温で5年以上保存できるということで人気が高いのがこちらのスープです。野菜たっぷりというだけあり、中身は本当に野菜がごろごろ入っていて災害時の野菜不足を補うにはぴったりの製品です。
味はトマト、かぼちゃ、豆、きのこの4種類です。
- 野菜たっぷりトマトのスープ :食塩相当量0.9g
- 野菜たっぷりかぼちゃのスープ :食塩相当量0.9g
- 野菜たっぷり豆のスープ :食塩相当量0.9g
- 野菜たっぷりきのこのスープ :食塩相当量0.8g
なんと食塩相当量1.0gを下回っています!優秀!!
こちらは量も多めで、パンとこのスープだけでも十分1食賄えると思います。これならものによっては少量のおかずをつけても問題ないでしょう。
おすすめのスープや味噌汁の非常食
IZAMESHI『ほっこりけんちん汁』食塩相当量1.5g
新商品のIZAMESHIのレトルトスープのシリーズは、どれも塩分は少なめ!
味もガスパチョやポルチーニ茸とハト麦のスープ、アホブランコというアーモンドとにんにくを使用したスペインのスープなど、トムヤムクン以外であればどれも食塩相当量2.0g以下です。
- IZAMESHI『ガスパチョ』食塩相当量1.3g
- IZAMESHI『7種野菜のコーンポタージュ』食塩相当量1.3g
- IZAMESHI『枝豆とブロッコリーのグリーンスープ』食塩相当量1.2g
『みそ汁』食塩相当量1.3g
『つくねと野菜のスープ』食塩相当量1.3g
麺類の非常食の塩分量
麺類はやはりスープがあるせいか、どれも塩分は高いです。
イザメシの麺類でみても、どれも食塩相当量3.0g以上あり、多いものでは『醤油ラーメン』食塩相当量5.4gと、かなり塩分量は高いです。
探してはみましたが、やはり食塩相当量2.0g以下の製品はなく、なるべくスープを飲まないようにしなければ、なんとかなるかもという感じでした。
【まとめ】塩分をきちんと確認し、災害時でも体調を崩さないようにすることが大事
私自身が食事に塩分調整が必要になり、スーパーでも食塩相当量を気にしてパッケージを見ることが増えましたが、市販のレトルト製品などはどれも塩分量が多く、好きだったものも安易に食べることができなくなりました。
普段ならちょっと許容量を超えても「1日のうちで調節すればいいや」くらいに考えていましたが、もしこれが災害時であればどうでしょうか。
手元に何もなく、炊き出しのカレーや豚汁、おにぎりしかない場合。それらはどれもとても塩分量が高いです。
おにぎりもその場で食塩量を調節できるものであれば良いですが、市販のおにぎりなどは1個に結構な量が入っています。それを毎食のように食べていれば、必ず体調を崩すことになります。
できれば塩分を調節できるよう、1食置き換えできるような非常食を持ち出し袋に入れておけば、しばらくは安心です。それにもし自宅隔離・避難になっても、きちんと備蓄していればとりあえずはそれで凌ぐことができます。
自分の健康面を一番に考えた非常食の準備をしておきましょう!