非常時の食料事情を把握し備える必要性
今まで起こった大きな災害のニュースで、まず最初に起こったこととして報道されたことは、ガス・電気・水道などのライフラインの断絶と、スーパーなどの小売店の食料品の消失と供給のストップです。
ガス・電気・水道については災害の規模や状況によって、全てが絶たれるかどれかが生き残る、もしくはすぐに復旧する場合もありますが、小売店からの食料品の消失はかなり早い段階で起こり、食料不足はしばらく続くことになります。
市が備蓄している災害備蓄の量は2日分
もし災害がおきた時は、避難所へいくのだから備蓄を用意する必要はないと考える人もいるかもしれません。 確かに各市町村には備蓄倉庫があり、そこには災害対策用の備蓄が用意されています。 しかし費用面・備蓄場所など各地区の人口を考えると満足のいく量の備蓄はできません。
例として岡山市では、各地区の人口を割り出し備蓄の量を決定しているのですが、内容量はわずか2日間耐えうる量しか備蓄されていません。
例:岡山の備蓄計画
- クラッカー(災害当日の1食分:3歳~74歳まで)
- アルファ化米(災害発生の翌日からの2食分 :3歳~74歳まで )
- 水(500ml1本:全員)
- アルファ化米のおかゆ(災害当日から翌日までの3食分:1~2歳の幼児と75歳以上の高齢者用)
- 粉ミルク(3日分:0歳乳幼児用)
※水の供給については給水車や応急給水栓を使用すると仮定した場合
アレルギー食の対応としては、アレルギー特定原材料等27品目を含まないアルファ化米を10%以上備蓄する計画となっています。
もし避難所に入所する人数に偏りがあったり、旅行者などが大量に含まれた場合のことは想定されていないため、食料不足は初日から起こることが予想されます。
東京などはレトルトカレーなどの備蓄も
市や地区で備蓄されている食料には地域で異なり、基本的にはアルファ化米と水、またクラッカーか乾パンが計画されていますが、東京では区によってカレーやシチューなどのレトルト食品も備蓄されているところもあります。
また小学校ではクラッカーや乾パンではなく、ビスケットが備蓄されるなど子供に配慮した食料品選びがされているところもあります。
しかしやはり長期的な備蓄量とは言い難く、備蓄倉庫の食料は2日間が限度と言えます。
食料物資の支援は早くても2日目以降から
災害の規模や起こった場所・地域によりますが、食料不足が解消することは当分先となります。 まずは支援物資として、災害発生から約2日後あたりに製菓パン会社などからパンやおにぎりが支給されることがあります。 それも全ての人に行きわたるかどうかは不明で、被災地によっては支援物資が届き始める日には差があります。
道路状態によっては1週間以上支援物資が届かないといった事も想定され、避難所の備蓄を考えても少なくとも3日は何とかやっていけるように個人での非常食準備が必要です。
在宅避難のための食料備蓄量
災害時に自宅にとどまった方が安全であった場合、また幸いにも家に損害がなく避難所に行く必要がない場合などは、在宅避難となります。
在宅避難となった場合でも、ライフラインの断絶や食料不足からは免れません。 また在宅避難の場合、避難所に届けられる支援物資の情報がすぐに届く可能性は少なく、すぐには食料を手に入れることができません。
最初は冷蔵庫のものから食品を片づける
電気の供給がストップした場合、一番にしないといけない事は冷凍庫や冷蔵庫の食料の処理です。 特に冷凍食品は夏場であればすぐに溶けてしまい、せっかくの食料が無駄になってしまいます。 最初の2日の間で傷みが早いものは食べ切ってしまいましょう。 家で備蓄している非常食を食べるのは、それが済んだあとからです。
スーパーやコンビニの食料の供給が始まるまで持ちこたえれる量
スーパーやコンビニに食料品の配送が再開されるのは、早くても災害から3日~1週間は先となります。 スーパーなどの店頭販売が始まったとしても最初は全ての人に渡るような量ではありませんので、やはり頼るべきは地震が備蓄した非常食と水となります。
家にある非常食以外の食料と併せて約1週間生活できるようにしようと考えると、最低でも3日分以上の非常食の準備が必要です。