
昨今は災害による被害も増え、防災用品や非常食などの備蓄の関心が高まってきていますが、それでもやはり本当に必要かどうか悩む人もいるのではないでしょうか。
Q.あなたの家に食品の買い置きはありますか?
災害と一言で言っても、さまざまなものがあります。
家が潰れるほどの大地震や洪水などの大水害から、自宅避難程度の台風による災害。また今蔓延している新型コロナなどのような、病気による自宅待機なども災害の一つです。
その他に水道管の破裂や電線の断線など、台風や地震にかかわらず、急な災害に見舞われる可能性もあります。
そんな時、買い出しなしでどれくらい生活できますか?
もし水道が使えなかったら、もし電気やガスが使えなかったら。
そんなことも踏まえて考えてみてください。
レトルト食品や缶詰など食料品は何日分ありますか
冷蔵庫の中身や食糧庫の中身はどれくらいあるでしょうか。
お菓子や水、ジュースなども食料に含まれます。
2〜3日分は何とか生活できるのであれば、まずは問題ありません。
もし3日分もない!または、3日分の食料のほとんどが生鮮食品か冷凍品、もしくは調理が必要な食品だった場合は、災害用に備蓄することを検討したほうがいいかもしれません。
Q.なぜ3日分?
基本的に災害発生からライフラインの復旧まで最低3日かかると言われています。
しかし災害によっては水道管が破裂したり、電線が断線したり、道路が塞がって孤立したりなど3日では復旧が難しい、または支援が来ない可能性も考えられます。
その場合を考えると最低3日〜1週間程度の備蓄が必要と考えられます。
食料はともかく飲料水がなくなるのが一番怖いので、飲料水だけでも確保しておくといいかもしれません。
Q.冷凍品や調理が必要な食料の備蓄はだめ?
これははっきりとダメとは言えません。なぜなら自宅避難をする場合、調理器具さえあれば普段と同じような食事を作ることができるからです。
冷凍品の場合、電気が止まってしまった時、冷蔵品を冷やす氷代わりにすることができます。
また日頃からキャンプやバーベキュー等をする習慣があり、いつでも炭などの火を使える準備のある方や、カセットガスコンロなどの備蓄がしっかりある方は生鮮食料品を調理できるため、最初の2日ほどはそれで凌げるのではないかと思います。
しかし腐りやすいものは長期間保存できず、食べきることができないまま廃棄することになります。
なまものばかりを備蓄していると、せっかくの食料が当然腐ってしまいます。
衛生面を考えると冷蔵・冷凍品や調理が必要な生鮮食料品のみに頼る備蓄はおすすめできません。
Q.備蓄は絶対に非常食として売られているものを買わないとだめ?
スーパーに置いてあるカップ麺やレトルト食品、缶詰でも十分対応可能です!
非常食と市販のレトルトや缶詰との違いは、パッケージと賞味期限にあります。
市販のレトルトや缶詰と非常食の違い
一般的なレトルト食品や缶詰も、賞味期限は半年から長いもので3年ほどあります。
非常食として販売されているものも、だいたいが賞味期限3年〜5年程度のものが多く、長いもので25年備蓄できるものがあります。
賞味期限の面だけでみるとどちらも大して差はありません。
パッケージの違い
やはり非常食として販売されているものは、パッケージが非常にしっかりとしています。
食品は日光や湿気に弱いものが多いため、アルミパックでしっかり袋詰めされたものや、フォークや箸などが入ったものもあります。
防災備蓄用の箱に長期間放置していてもパッケージが傷みにくい構造のものが多く、災害時に取り出した際、衛生的で安心して食べることができるように考えられています。
市販のもの、とくにカップラーメンなどはにおいがつきやすく、備蓄箱に入れっぱなしにすると賞味期限内であっても他の食品のにおいがついてしまったり、劣化することもあります。非常食用に作られたものは、そのあたりもしっかり考えて作られています。
温め不要のものが多い
市販の缶詰やレトルトは、温めないと美味しくないものがやはり多いです。
非常食の中にも温め必須やお湯を使うものが多いですが、常温のままでも美味しく食べられるように作られたものもたくさんあります。
とくに非常食用のレトルト食品は、湯煎などで災害時貴重なガスや水を使うことなく、開封しそのまま食べることができるので便利です。
値段は高い?
非常食はやはり市販のレトルトや缶詰に比べ高いものが多いイメージでしたが、最近は物価が高くなり市販のレトルト食品も価格の高いものが多くなりました。
それを考えるとそこまで大きく価格の差はなくなってきているように感じます。
普段の食事用にと考えると高いかもしれませんが、何年も備蓄しておこうと考えるとそこまで高くはないような気がします。
Q.避難所に非常食が備蓄してあるのに、本当に必要?
大きな災害でもすぐに支援があるでしょとよく言われるのですが、本当にそうでしょうか。
まず避難所には非常食の備蓄がありますが、数は限られています。
基本的にその地区に居住している人の数の数を目安に、1.5日〜2日分の備蓄があるとされています。
しかし他にも企業や旅行客、たまたまその地区に来ていた人なども合わせると居住している人数分よりも増えてしまいます。
また2日分とはいえ、場所によっては500mlの水とパン、クッキー、アルファ米1袋のみという状況で、場合によってはレトルトカレーの備蓄などがある程度です。
避難所によっては定員数を超え、非常食が行き渡らない場合もあります。
大きな災害の場合、支援がくるのは約3日後とされ、それまで持ち堪えるだけの非常食を自分でも用意する必要があります。
Q.避難所に持って行く非常食は何でもいい?
避難所に行く場合、おそらくたくさんの荷物は抱えて逃げることはできない状況だと思います。
そう考えると軽くて嵩張らないものがいいでしょう。
カレーや調理が必要なものも大丈夫?
避難所にはたくさんの人が集まります。やはり臭いのあるものは避けたほうがいいです。
また調理も臭いが出るのでお勧めしません。調理器具も避難所のものを勝手に使うことはできませんし、洗い物が出た場合、貴重な水を使うことになってしまいます。
どちらにせよトラブルになる可能性は捨てきれません。
おすすめはお菓子やパン
やはり軽くて持ち運びしやすく、食べる時に周囲に気づかれないものがいいです。
たとえばカロリーメイトや、クッキー、スナック菓子。またチョコや飴などもいいでしょう。
パンの非常食もおすすめです。
結論:家にある程度食料のストックがあるなら、別途非常食の備蓄は必要なし。しかし非常用持出し袋に必ず食料を!
自宅避難として考えるなら、ローリングストックなどで家に常に食料のある家庭は、大量の非常食を買い込む必要はないでしょう。
しかしいつもギリギリの量しか買い置きしていない家庭は、最低3日分の食料を備蓄しておくことをお勧めします。
また避難所に持って行く非常用持出し袋防災バッグですが、こちらはまた別途お菓子やパンなどすぐに食べられるものを入れて置いてください。なるべく嵩張らず臭いの少ないものがいいでしょう。
急な災害に慌てないようすぐに持ち出せるバッグを用意し、その中にはほったらかしにしていても安心な非常食を入れておくようにしてください。